Expedision(account of voyage)


 

 第六回「セカンドタイム・イン・種子島」第一章「笑えるえる」

朝4時半に起床‥‥するはずだった。

「もう起きた?」

自分の遠征日程を知っていてたまたま早起きしていた者に起こされ、寝床の横においてあ

った腕時計を拾い上げて文字版を見ると4時40分を少しまわっていた。

「うわぁぁぁぁあーxxx!!やっべ!」

増田さんとの待ち合わせは長久手にあるイン・ザ・ストリームというルアーショップ(リ

ンクページをご覧下さい)の近くにあるラーメン屋の駐車場にAM5:00という約束に

なっていた。

 

 

「やっべ!やっべ!やっべ!」

何回言っても時間が止まったり巻き戻ったりはしないが、とにかくやばい。

自分は普段のんびりした運転をするので、昼間通常はストリームまで20ないし30分か

かる。

この時間なら車はほとんど走っていないし点滅信号が多い。

ぶっ飛ばせば(法令は遵守)15分で到着出来るだろう。出来るかな?やばいやばい、マ

ジでやばい。

泡を食いながら前の日に用意してあった服を着て戸を開き、階段をかけ下がって車に飛び

乗る。

荷物はチェックして既に積み込んである。

早めに起きて再チェックするつもりだったが、もちろんそんな時間はない。

「おはようございます。今日は10月23日、金曜日です。」

カーナビのおねいさんの声が朝の挨拶をする。

「うっせー、わかっとるわ」

八つ当たりである。

 

 

昔はうっそうとした森だった自宅周辺も最近の開発で住宅地になりかっこ良いピカピカの

お宅が増えた。

当然道が出来て信号も増えた。まだまだ田舎なので夜間は点滅信号が多いのが救いだ。

いくつも信号の点滅をくぐりながら車を走らせる。思った以上に早く進める。これならギ

リギリ間に合いそうだ。

増田さんから電話がかかる。えっ、もう5時過ぎたの?

4時55分。少々せっかちでは?いや、これが仕事だったらギリギリの到着は大目玉だ。

なんとか5時ジャストには到着しよう。

「もうすぐ着きます」

本当は5分くらい遅れるかもしれない‥‥。

「あぁ、そう?待ってます」

いつもは失礼千万な自分だが、自分よりもひと回り以上年配の方をよもや待ちぼうけさせ

るわけにはいかない。

最後の信号は運良く青だった。

5:00到着。ミッション成功。増田さんの車は道路側に近い場所に停められていた。

「おはようございます、どのくらい前に着きました?」

「いや、そのー‥‥」

どうやら昨日の夜からここで寝て待っておられた様だ。増田さんごめんなさい。

 

 

取りあえず増田さんに侘びを入れて、今度は菅原くん宅に車2台連ねて向かう事に。

今回は増田さんの車を菅原くん宅に駐車させて貰って、自分の車で3人乗って中部空港に

向かう事になっていた。

もしあのまま眠り呆けていたら2人に袋叩きにされた上に口をきいて貰えなくなる所だっ

た。まじヤバかった。

 


増田さんとは前回の種子島でご一緒させて頂いて以来のお付き合いでスーパーナイスなキ

ャラクターの持ち主、自分より年配とはいえ天然ボケを連発する愛すべきムードメーカー

だ。

菅原くんとは数年来のお付き合い。彼の抜群のフィッシングセンスには自分も注目してい

て、ついでに言うとかなりのイタズラマンであり自分に釣りの楽しみ方を教えてくれた”

楽しむ達人”だ。付き合いはそこそこ長くなるが飛行機に乗って行く遠征で一緒になるの

は今回が初めて。

3人とも種子島は2回目だが、釣れても釣れなくてもこのメンバーなら笑える遠征になる

事は間違いない。

「おはよう、俺寝坊してやばかったよ」

「あはは、マジで。何時に待ち合わせたんだっけ?」

「5時だよ」

「どこで待ち合わせたんだっけ?」

「ストリームスです」

増田さんが答える。

「増田さん、ストリームスじゃなくてストリームっだよ」

アハハハハハ

やっぱり今回の遠征は楽しそうだ。釣り以外でも。

 

 

増田さんと菅原くんの荷物を積み込んで車は一路中部空港へ。眠たさ半分ウキウキ半分。

ここからおじさん1名おじさん予備軍1名おじさん予備軍の予備軍1名の計3人のドタバ

タ種子島チャレンジが始まったのでした。

 


 第六回「セカンドタイム・イン・種子島」第二章「鉄砲と共に種子島上陸〜ドゥルーピー」

りんくうインターを降り、いつもの様に@エルカに車を乗り入れる。

結構利用させて貰っているのでスタンプカードはもう少しで一杯だ♪

「妻木さんスタンプいっぱいになったら俺に頂戴ね」菅原くんが言う。

「なんであげなイカンのー」

「なんでー、いいじゃんアッハッハ」菅原くんはいつもこんな調子だ(笑)

 

 


旅行会社のカウンターでチケットを受け取ってから少し時間があったので上の階に上がっ

て朝飯を物色した。

しばらく歩いたが決まらなくて広場でテーブルについたら増田さんがビニール袋からバナ

ナを取り出して食い始めた。菅原くんは断ったが、自分はバナナが大好物なので図々しく

頂いてパクついた。

しかし、この場所で持ち込み食料を食っても良いものだろうか?まあいいやバナナうめー

し。

結局増田さんと自分はバナナで結構満足してしまい、菅原くんだけ朝粥を食わせる店に入

って2人はもう1度下に下がって喫煙ルームに立てこもることにした。

途中自分が出発ロビーがある階を1階だと勘違いして菅原くんと軽くはぐれたり(自分も

天然ボケおやじの1人だったりして)、増田さんが手荷物にプライヤーを入れていて手荷

物チェック場で捕まって菅原くんと2人で大笑いしたり、軽くお決まりのハプニングがあ

りつつも3人は無事中部空港発鹿児島行き8:00出発JAL国内便の機内の人となった。

 

 

鹿児島空港に到着。フライトは1時間半。機内ではほぼ3人で喋りっ放しだった。

次の種子島行きの便までの待ち時間は約1時間。することもなく空港内を歩き回った。

 

 

アルコールを物色中の2人



キリンビールを2本購入。

 

 

プシュッ!ちきしょー、旨そうじゃねーか。午後からさっそく竿を出すので自分は我慢。

生唾ゴクリッ。

 

 

やっと出発です。離島行き名物プロペラ機。かっこ良い。

鹿児島から種子島はあっという間。寝る暇もありません。

 

到着。増田さんと妻木



増田さんと菅原くん。

2人それぞれの人柄がこんなに忠実に写真に現れるとは。俺写真家に‥‥なれるわけねー

か。アハハ。

この2人、火縄銃〜ロケット以来久々に種子島に飛び道具が上陸か??

空港に入って、手荷物待ちの小部屋からロビーを見ると3ヶ月ぶりの懐かしい顔があった。

岩元船長だ。今回もつごう3日間よろしくです!

荷物をピックアップし、船長の車に乗り込み島内へ。

 

 

 

前回初上陸時に寄った同じお店で昼飯を食う。自分は好物の牡蠣フライを定食でパクつく。

飯は戦闘準備で大盛りだ。

民宿豊生に到着後、早速そそくさと準備をします。

 

 

むむっ!知らない内に謎の日本兵が画面に写っている!?ポッパーを握り締める彼の正体は

如何に!!

港を出て直ぐに風も波も‥‥怪しいっす。

台風20号の影響は出発以前にも懸念されており出発を見合わせる事も考えたのだが、果た

して今回の判断が吉と出るか凶と出るか。

取りあえず、やってみっぺ。

 


   

 

今回持ち込んだ自分の愛機達。お前たち、決して無事に帰ってくるんじゃないぞ!!

 

 

用を足す増田さんにイタズラをする菅原くん、増田さんぶっといです。正にストロングポ

ップ!(関係者の方、悪気はありません。堪忍です。)

 


荒れる荒れる。しかし、海が荒れた写真を撮っても毎回上手く伝わらない。やはり写真家

になるのは無理か、無理なのか、ってそりゃそうだ。

って事で岩元船長は一生懸命頑張ってくれましたが海況悪く、選手も悪く‥本日は納竿。

 

 

明日はもっと波が強くウネリも入る予想な為、豊生丸の常駐漁港には入らず北上。風の方

向も考えて明日のポイントに近い漁港に向かいます。

岩元船長はいつも”釣らせよう釣らせよう”と一生懸命考え続けてくれる、釣り人の気持

ちが解っている良い船長です。明日は頑張ります!

 

 

漁港から民宿豊生に向かう途中に寄った八百屋さん(?)に売っていたセミエビ。グロか

っちょいー!

 

 

左上に写っているポッパー(ティラノスマウスGT)ですが、お2方が使用しお2方とも

揃って「しんどい!」と仰ったそうな。コモドニクスの方を置いて行けば良かったかな。

確かにコモドニクスは割りと評判が良いのにGTは自分以外の誰も気に入ってくれない。

あまりにも時代に逆行し過ぎか?リリースはコモドニクスを先にしよう。

次に種子島に来る時には、製作の余裕があればコモドニクスのプロトを作って持って行き

ます。GTも引き続き置いておくので気が向いた方がおられれば。

追記しますと、今回自分が持ち込んだ現バージョンは民宿豊生に置いてあるバージョンか

らかなり強度面での改良が施されています。

しかし民宿宝生バージョンであっても万一モンスターがかかってボディーが破壊されたと

してもワイヤーの結束強度は異常なほど頑強なのでキャッチは出来ます。

フックを曲げられさえしなければ‥‥。

 

 

夕飯タイム。民宿豊生はアットホームな宿。飯も旨いっす。

そんで菅原くんが”プシュッ”増田さんが”プシュッ”と缶ビールを開ける。くっそー!

俺もビール飲みてー!楽しみ下手な自分だった。

 

 

その晩は順番に風呂に入ってノットをやり変え、そして少し喋って、笑って。少し遅めに

床に就いた。

「おやすみなさーい」

と言った3秒後に増田さんがイビキをかき始めた。

「はやっ!!」

増田さんのイビキがトムとジェリーに出てくるドゥルーピーみたいで笑えて眠れない。

菅原くんはもう寝ただろうか?起こしちゃイケないので必死で笑いを堪えた。

くっくっくっく‥‥。

菅原くんのイビキや寝息を聞いた記憶がないので、ほとんど同時に眠りに就いたのだろう

か。

単独遠征での夜を寂しく感じたことは一度もないが、笑いを堪えて眠れないのも中々悪く

ない。

仲間との遠征は大人の修学旅行か臨海学校みたいなもんだ。楽しすぎてヤバイ。

夢の中では大物を一杯釣り揚げた。

 

 

幸せだ‥‥ZZZzzzzz。

 


 第六回「セカンドタイム・イン・種子島」第三章「ドゥルーピーの起床〜気配」

24日朝。

目覚めが特にそれ程よろしくない。

ドゥルーピー増田さんは何やら起きだしてゴソゴソしているし、自分は今だ布団の中で眠

くて所々意識が時々飛ぶ中、気がつけば既に彼の布団は綺麗に畳まれていた。

「う〜ん……んっ?」

えっ?菅原くん起きてんじゃん?!

寝起きが良くない人だと勝手に思っていたけれど、結構シャッキリとした感じの顔つきに

なってオマケに彼の布団もこれまたキチーッんとふすまに寄せた状態で今押入から出して

来ましたって感じに折り畳まれている。勝手だが意外だ!

 

 

菅原くんの意外性によって自分は目を覚まし朝の儀式、つまり昨日食ったものを液体・固

体ひっくるめてトイレに落っことしに行った。

こちらはいつも通り調子がよろしい。

「あ〜、ねむっ」

 

 

液体・固体の排出に成功した後に部屋に戻ってみると二人とも着替えは終わっていて準備

万端といった所。


 

菅原くんはカメラに1000000ドルの笑顔を披露。増田さんは何やら甘いモノをパク

つく。二人とも余裕たっぷりだ。

 

 

自分も何とか支度を整え、首尾よく船長の車が到着。ジャンジャカとタックルを積み込ん

で昨日停泊した港に車はラン。

途中のコンビニでクリームコロッケ2個とその他モロモロを買い込んで、移動中そのコロ

ッケにムシャムシャかぶりつきながら「今日は釣れるよなぁ」なんて考える。

だいぶんどうでも良いが自分はクリームコロッケが凄く好きだ。

港が見えてきた。

 

 

前回は乗りそびれてしまったが、今回はやっと乗る事が出来て嬉しい。

これが豊生丸だ!釣りしやすそうでしょ。

 

 

なるべく雨具は着たくはないのですが、今回の遠征ではこれを脱ぐ機会は無いかもしれま

せん。だって台風の影響から逃げられそうにないんですもの。

菅原くんはチャックチャックと準備。増田さんは今度はチョコレートを取り出して……自

分の好きな銘柄だったので、後からお願いして2〜3個頂いちゃいました。

だいぶんどうでも良いが自分はチョコレートが凄く好きだ。

 

 

港を出る。

予測というか、この状況下においては当たり前に覚悟しておかなくてはならないのだけど

やっぱり波風は強い。

 

 

港を出て直ぐにこれ

 

 

んで、もうちょと出てこれ。泣けます。出れるだけマシだ!!と思っとく事にしました。

 

 

状況を写真に収めておこうと最初の内は身を乗り出して写真を撮っていたのだが、港から

出て目当てのポイントにいざ舳先を向けてみると両手で何かにしっかりつかまっていない

と危険な状態になって断念。

肝心のポイントに到着して何度かキャスティングを試みるも、波の高低差があり過ぎて極

わずかな投数を数えたのみで移動。その小移動先でも状況は変わらずにまた数投を数えた

のみで移動。

結局この一帯を丸ごとあきらめて中移動をせざるを得ない結果となった。

波風も一向に収まるどころかその勢いを増しているようにすら感じる。被害妄想か?いや

確かにさっきよりもデッキ上に立っているのがシンドイ。

ここまでに結構な時間が経過してしまった気がする。なんだか不安だが、メンバー良いの

でその思いを振り切るのは難しくない。とりあえず釣りの合間々の会話が楽しかったら良

いのだ。

 

 

次に船長が選んだのは水深50メートルのポイント。

未だキャッチに結びついた事は無いのだそうだが、良型が何度も食ってきた乞うご期待ポ

イントらしい。

ミヨシに菅原くん。ミヨシ下のデッキ、菅原くんの次が増田さん。3人目のポジションが

自分だ。

菅原くんは先ほどから”匂い”を感じている様で、時々振り返るその表情が笑顔であるの

はいつも通りなのだがニュアンスが少し違っているし、背中から発する空気も気配を感じ

ていない時の彼とはその温度が違う。

自分は彼がそのレベルの釣り人だと感じているし、実際の現場で何度かその片鱗を自分は

見てきた。

 

 

何か起こるかも知れない

 

 

「菅原くん、来そうだねぇ」

「うん、なんか来そうやねぇ」

実際にそれはそれ程時間を経過しない内に起こったのだが……。

 

 


第六回「セカンドタイム・イン・種子島」第四章「経験値」

それから直ぐにそれは起こった。

菅原くんが投じたポッパーの2ジャークないし3ジャーク目。とてつもない奴がルアーを

水中に引きこんだ。

ジュッッ!!ジュボゥワァー!!!!ウィーンウィーン、ウィィィーーーーンンッ!!

 

 

激しく揺れるフロントデッキ上で、彼は何とか体勢を立て直し踏ん張った。

 

 

耐える!

 

 

菅原くんの了解を得て、自分もいつでも彼のフォローに入れる位置につく。

一度化け物の勢いが収まったタイミングで気前良く引き出されたラインを必死で回収した

のだが、そこから尚もそいつは突っ走り始めた。

それを耐え、少しでも走りが弱まればラインを回収する。また持っていかれる。

そんなやり取りが何度か続いたのだが、彼と奴との距離は一向に縮まっていかない。

彼は余裕で30キロを超えるGTを捕った経験もあるのだが、いかんせんこいつはエキス

パートアングラーの彼にとっても未経験のエリアの住人だ。

いつもはあり得ない彼の焦りを感じて自分も一部始終を彼の真後ろで見つめる。

 

 

計測していたわけではないがファイトタイムが5分を過ぎた頃からであろうか、彼の体に

異変が出始めた。

緊張と疲労で足がカクッカクッと笑い始めてきてしまったのだ。

「菅原くん頑張れ!」自分が言う。

「菅原くん頑張れ!」増田さんが言う。

彼の耳に我々の言葉は届いているだろうか。

自身の力をごく普通に発揮出来れば彼のレベルであればもっともっと釣り人側に有利な展

開に持ち込めるはずなのだが、ラッキーが起こらない限りGTやヒラマサのある程度以上

のサイズに対しては圧倒的に経験則がモノを言う。

何度も言う、ラッキーは別なのだ。

このサイズとのファイトを何度も経験していなければ彼の様な技術の高い釣り人であって

も、その力を発揮させて貰えない。そういう魚なのだ。

 

 

揺れが激しい船の上で無理な体勢をとらされた上にこのサイズだ。

ファイトタイムがおよそ7分を過ぎた頃ぐらいだっただろうか、彼はとうとう膝をついて

しまった。まさに満身創痍だ。

魚が充分に余力を残したままの状態だったので、これは危険だと判断して再度彼の許可を

得て今度は実際にフォローに入った。

一緒にロッドを持ち上げその隙に彼が立ち上がり体勢を立て直した。

ただ酸欠と筋肉に溜まった乳酸のせいでキチンとしたファイトポジションがとれない。

自分がフォアグリップを持ち上げてギンバルにバットエンドを差し込もうとした瞬間、パ

ッッツーン!……

無念ラインブレイク。

水深50メートルのトップで食った魚を根ズレによるラインブレイクでロストするなんて

誰が予測出来たであろう。

また自分も「GTとはそういう魚なのだ」と力ずくで納得させられてしまった。

ファイト後に彼は何度も

「怖い、怖かった」

と言っていたのが印象的だった。自分もそう思う。GT・ヒラマサは怖い魚だ。

これで彼も種子島の洗礼を浴びてしまったのだ。

今年何度もそうやってラインブレイクを味あわされた自分には菅原くんの表には出さない

悔しさが痛いぐらいに理解出来た。

この後この日彼はあまりロッドを握らなかった。

これも解る気がする。

 

 

チャンスタイムがやって来たのか!と今度は増田さんがミヨシに立って、自分と2人で実

釣を再開した。

自分はタックルを今回対GT初導入のツナ用ロッドに持ち替えてティラノスドライブTN

レベロフォンをキャストした。

何となくの選択なのだが、この時自分はレベロフォンをほとんどストップを伴わないハイ

スピード連続ジャークで操った。

そして程なく。

ジャヴゥワーン!!

と菅原くんの時と比べてだいぶ小柄な個体を感じさせる派手でな強烈なバイトを誘った。

多分そんなに大きくはないだろう。

 

 

胴の間とはいえ揺れているのでヘッピリ腰…かっこ悪い。ツナロッドは最高の曲がりだ。

 

 

走りをへっぴり腰で受け止める。

 

 

船べりまで早く寄せ過ぎて元気いっぱい。反対側まで走られてトップデッキに登ってやり

取りする。

ロッドの特性が理解しきれていないので多少手こずっている内に魚が何かにはさまってし

まって焦ったが

 

 

なんとかキャッチ。


「ちっちゃいGTだよ」

と自嘲気味に言ってみたが、何だか魚の形が違う。

GTでこのボリュームなら生意気にも”ガッカリ”サイズだが、船長によるとこれはなん

と”イトヒキ”。1メートルで11.5キロ。

イトヒキってこんなにデッカクなるんだ??なーんか嬉しいぞー!

 

 

イトヒキに気を良くして息を吹きかえす自分

 

 

しばらく同じポイントを流し返して

 

 

 

投げる!

 

 

ポッピング!

 

 

 

ポッピング!!

 

 

笑わかされても投げる

 

 

 

ポッピング!!!

 

 

ポッピング!!!!

 

 

キャストー!

 

 

 

今回持ち込んだポッピングポッパー2種。上がティラノスマウス・コモドニクスで下のが

ティラノスマウスGTです。

 

 

増田さんと菅原くんと。んで、今回のルアー達。

その後時々菅原くんが参加してすぐに船室に戻って船長と談笑し、増田さんと自分はキャ

ストを繰り返したが、納竿まで水面が割れる事はただの1回も無かった。

 

 

帰港途中の船室に船長と3人がひしめき合いながら

「妻木の釣ったイトヒキが何キロあるか?缶コーヒーを賭けよう」

 

 

と言う事になり、この賭けには結局菅原くんが一番勝って船長がビリ。3人が缶コーヒー

をおごってもらえる事に。

いつもはブラックなのだが、疲れていたのでカフェオレに。

車内で飲んだカフェオレは甘くて美味かったような、逆になんだかすごく苦く感じたよう

な。

船長も大塚さんも砂糖入り。

この日一番苦いコーヒーをすすったのは菅原くんだったかもしれない。

 


第六回「セカンドタイム・イン・種子島」第五章「帰りたいけど」

 

最終日。

 

 

種子島の朝はこんな感じに始まります。(菅原くん、ちょっとだけよ)

 

 

昨日もたいがい降ったが、今日も朝っぱらからジャージャー降っとります。勘弁して欲し

いっす。

今日は半日フィッシング。午後の便で帰ります。

ガンバロー!…とは思うものの…天候には勝てぬ。それなりに頑張ります。

 

 

波もダバダバ、晴れ間なし。暗いっす。暗いっす。

 

 

あまりにも厳しい状況の中、岩元船長はなんとかしようと一所懸命頑張ってくれています。

 

 

今日が一番台風の影響が強く、一旦は湾外に出たものの引き返す羽目に。湾内のしかも漁

港の目の前でもこんな感じ。

 

 

もうレインウェアのフードは脱げません。

 

 

増田さんのキャスティングを監督する、と見せかけて休憩をする菅原くん(笑)

 

 

雨に打たれ続けてダウン。ご休憩。

 

 

菅原くんもご休憩。

 

 

それでも増田さんは腕まくりをして頑張り続けます。彼とは今回本当に色々な話をしまし

た。自分よりもかなり年配の方ですが、色んな事にシンパシーを感じました。

 

 

が、天候が悪過ぎて納竿。ちょっとさみしい気もしますが、お片づけです。

 

 

疲れちゃったので甘いモノを。紫山芋大福餅105円です。

 

 

ついでにガーナチョコレート105円です。最近の100円スイーツは優れモノが多くて

困ります。次から次に買い食いしたくなります。

 

民宿豊生に帰って順番に風呂に入り少しゆっくり。

荷物をまとめ、空港に向かう途中で宅配屋さんの事務所に寄って今日まで使ったタックル

を自宅に送る。

そして空港に向かうと…

 

 

ゲゲッ!飛行機飛びません。最後まで台風に苦しめられました。

 

 

って事で民宿豊生にもう1泊。ついさっきお別れのご挨拶をしたのに、なんだかバツが悪

かったので「ただいまぁ〜」って言っときました。

帰れるはずが帰れないので確かに大変なんだけど、まぁいいや。

ぐっすり眠りました。

 

 

1日余分に種子島に滞在して翌日10月26日。午前9:25種子島発鹿児島行き376

0便。

 


 

なんだか怪しげですが、出発です。

 

 

 

本当に怪しいです。実際よく揺れましたが、運転手さん無事故でどうもありがとうござい

ます。

 

鹿児島空港には無事到着したのですが、中部空港行きの便の出発時間は15:25。

3人で空港の中でうろうろ。

 

 

F1ドライバー

 

 

ラリードライバー

 

しまらないですが、今回の種子島遠征はこんな感じで幕を閉じました。

大変だったけど、あぁ面白かった。

次は絶対にモンスター仕留めてやるぞ!っと。

 

 

                  −完ー

 

 

 

<使用タックル>

ルアー:ティラノスマウスGT・ティラノスマウスコモドニクス

            ティラノスドライブTNレベロフォン/エンジェルズエンジン

ロッド:WRC−TOKARA60(ティラノスマウスGT用)      /スミス社

    WRC−KOMODODRAGON(ティラノスマウスコモドニクス用)

                                   /スミス社

    GTK−77BG(ポッパー用予備ロッド)           /スミス社

    HBGC−82TUNA(ティラノスドライブTNレベロフォン)/ダイコー社

リール:ソルティガZ−6000GT×2                /ダイワ社

    ソルティガZ−6500エクスペディション           /ダイワ社

ライン:AVANI GT 100lb/8号             /バリバス社

    スーパーステルスショックリーダー 170lb    /フィッシャーマン社

    トーナメントライン 100号300lb           /バリバス社


金具類:ST−76 5/0                    /カルティバ社

    スプリットリングハイパーワイヤー 11H290lb    /カルティバ社

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