Expedision(account of voyage)

 

 

 


第10回「ティラノスドライブ」    第1章「奄美再上陸」

 

今回が2度目の奄美・トカラGT遠征。この時を待ち焦がれていた。

去年奄美大島〜トカラを訪れて以来、そのかっちょ良い景色や豊かさに感動し、ビッグデ

ィッパー福井船長の桁違いなガイド力にウルトラ魅了されていた。

本職の繁忙期やら度重なる遠征やその不釣果が重なり、何だかんだでその時の記事はこの

エクスペディションには掲載できなかった。要は書けなかった。

 

 

前置きはさておき種子島遠征時に引き続き鹿児島空港から出発。先っちょが尖ってて翼が

背中についてるプロペラ機に乗ってGO!!

 

 

 

 

 

奄美空港に到着すると福井さん奥さんが出迎えてくれ、同時刻便のお二人とビッグディッ

パーハウスに到着。7名全員そろってタックル準備いそいそ、さぁ2台のハイエースに分

乗して港へ。

 

 

 

 

 

待ち焦がれたビッグディッパー号乗船です。ワクワクが止まらん!!

 

 

 

 

 

荷物をドサドサ積み込んで準備万端オッケイです。

 

 

 

 

 

しゅっぱーつ♪どうだろう、どうかな?

この日は風も強く、また福井さんによるとトカラ方面はゲームの条件が合っていないそう

で、奄美周辺を爆撃しに行きます。どうかな?どうかな?

 

 

 

 

 

場所を変え流す方向を変え、何時間経ってもノーバイトノーチェイス↓。最初は無駄に?

高かったテンションも徐々に下げ下げ、で皆さん移動時の口数はだんだんと少なめになっ

ていく。

 

 

 

 

 

そんな厳しい状況下でも次第にGTらしきボイルが目視されるも、ルアーにはなかなか反

応せづ。

それから暫らくは何も起こらなかったが、自分を含め3名程がバイトを得てお一人にヒッ

ト!!

 

 

 

 

お見事、今釣行初フィッシュ初GTです。

 

 

 

 

 

皆さんホッと肩をなで下ろしたものの、その後パタリとバイトも雰囲気も無くなってしま

い、明日への期待を胸に帰路につく。

この日の夜は奄美の多国籍?料理屋さんへ。

 

 

 

 

 


かんぱーーーーい♪♪

 

 

 

 

 

豪快で繊細でうんまーーい料理が沢山。腹もはち切れんばかりに食う!食う食う!食いま

くっちゃう。

 

 

 

 

 

お店の名前は忘れてしまいましたが、アットホームな感じのお良い店でした。むちゃくち

ゃ可愛いワンちゃんもいます。ぬいぐるみみたい。

 

 

 

 

 

’11年10月7日。奄美の夜はこうして更けて行った。

 

 

今回のメインルアーとしてティラノスドライブ・キマイラをGTやデカマサ用にチューン

したティラノスドライブ・キマイラ200の現時点での最終プロトモデルを持ち込んだの

だが、少しづつこのルアーの持つ設計者である自分自身掴みきれていなかったある特性が

解って来た。

それはオリジナルサイズの開発途上で判明して来た特性と同じモノで、これを上手く使い

こなしてやれば、恐らくある状況下では他を凌駕する性能を発揮してくれるはずだ。

実際今日もバイト数は他を上回っていた。後は自分がこいつの本来の性能を引き出しきっ

てやるだけだ。

キマイラのターン(出番・順番)はきっとある。

ティラノスドライブシリーズは長年の開発期間を経て、そう言い切れるレベルに達してい

る。

 

今日はもう寝ようZZZzzz・・・・

 

 


第10回「ティラノスドライブ」     第2章「トカラへ」

 

2日目朝、皆さんが起きて動き始めている気配で目が覚める。昨日の夜は旨い飯をたらふ

く食って良く眠れた。

この日の朝はビッグディッパーハウスでさわやかに美味しい朝食を頂き、

 

 

 

 

 

タックルをセッティングして

 

 

 

 

 


サメの歯?だったかな?

 

 

 


福井さんの仕事場というか事務所というか、男の子のワクワクがギューっと詰まって溢れ

る空間。勿論許可を頂いて写真を撮らせて頂きました。

自分もこんなスペースが持ちたいものです。釣り道具が溢れているところだけは我が隠れ

家と同じだけど。

 

 

 

 

 

荷物を積み込んで

 

 

 

 


出港・出発です。

 

 

 

 

この日も各ポイントを次々に撃って行くが、なかなかバイトすら得られず。

一度プチラッシュらしきものがあった時に、自分の横でキャストしておられた方がGTを

かけられたが、自分のラインが絡んでしまいキャッチまで至らず。

貴重な一本、面目ない。

自分もバイトを得られるモノのノせる腕が無く。

「なかなかノらないなぁ」とのたまうと福井さんが

「ノらないんじゃないんだよ、ノせられないんだよね」

と仰っていたのが印象的で、全くその通りだなぁと納得した。恐らく自分よりもレベルの

高いアングラーならば、自分がノせられなかったバイトの内の少なくとも半分はノせられ

るかも知れない。

ルアーの性能ばかりじゃなくって自分の腕も磨かなきゃ、バイトを引き出してくれたルア

ーがかわいそうだ。

 

 

GTのバイトはなかなか得られないが、暫らく移動を繰り返してキハダの群れを発見!!

ヒットゥーー!

 

 

 

 

 

旨そうっ!

 

 

 

 

 

ギンガメだっ、

 

 

 

 

 

キハダっ、

 

 

 

 

 

おっ、またまたキハダ。

 

 

 

 

 

自分はと言えば、アホみたいにフッキングを入れ過ぎて針外れの連続。オマケにキハダに

船の下にもぐられてラインブレイク。大切なキマイラ200のプロトを1つロスト(泣き)

して、全く良い所無し。

昨日うっすらと見つけたキマイラのパターンも今日はあまり機能していなかった感じでし

た。

納竿間近にインチクでゲット!

 

 

 

 

 

何て魚だろう?聞いてもすぐに忘れちゃう。

 

 

今日は船中GTキャッチ一本もなく、今の所同船者の方が釣られた昨日の一本のみ。意気

消沈気味で悪石島に宿泊です。温泉にでも浸かるべっ。

 

 

 

 

 

釣れない時はさっさと飯食って、明日の釣りの準備して、ちょびっと酒飲んで寝るべし。

 

何も考えずに。出来れば明日の良い釣果をイメージして。寝るべし。寝るべし。

 

 


第10回「ティラノスドライブ」          第3章「キマイラのターン」

 

3日目朝。悪石島の高所から見下ろした漁港。

 

 

 

 

 

皆さん目覚めは良い様です。

 

 

 

 

 

状況は決して良いとは言えませんが、自分より年配の方が多いにも関わらず、皆さんほぼ

休まずキャストを繰り返すパワフルな方ばかりです。

自分ももっと年食ってもやれる自信が湧きます。

 

 

多少のバイトはあるものの、この日も昼までノーキャッチ・ノーフィッシュ。

自分はキマイラにて複数のバイトを得るものの、やはりキャッチにまでは至らず。ただ、

他機種に比べ反応が多い事から、恐らく一番最初にキャッチに結びつく可能性は高いだろ

うと予測を立てる。オリジナルサイズである160でも何度も経験した特性。決してあて

ずっぽうの希望的観測ではない。

そして正午を一時間か一時半ばかり過ぎたその時…

「出たっっっ!……ノった!!!」

巻く巻く巻く巻くっ!

 

 

 

 

 

ロッドで溜めて耐える

 

 

 

 

 

GT自体久しぶりなので慎重にやり取りする。何度釣っても凄い魚だ。走る、重い、やっ

ぱりシンドイ。ガシガシ、ガシガシとロッドを曲げ込んでリフト。

福井さんが危なげなくネットイン。

この手に。この膝の上に!くーーーー堪らんね、この重量感・存在感。やっぱり何度釣っ

てもGTは強くてカッコいい魚だ。

32キロのGT。

 

 

 

 

 

この後もこのポイントを攻めるも後が続かず、移動する事に。次のポイントはこんな根が

水面から飛び出したポイント。

 

 

 

 

 

 

 

 

「このポイントは根が荒くて浅いからドラグをきつくして下さい。獲るの難しいからね、

自信のある人だけやって下さい。自信の無い人はやめておいて下さいね」

と福井さんのアナウンスが入る。

さっきのを釣って少し疲れたので休憩しようかとも思ったが、釣った直後、魚をリリース

して「あーシンドイ」と少々ヘタっている自分に福井さんが

「60キロ以上のを釣りたい人はね、このくらいのサイズでいちいち休憩している様じゃ

ダメだよ」と言った。

その通りだ。特に年に何度かしかGTを釣りに来られない立場なら尚更。短い日程の中で

無駄に休憩している様では、夢はいつまでも夢でしかない。

60キロ、70キロ、世界記録。投げていれば夢はそのラインの先にある。

デッキに小走りで上がる。

直ぐに反応があった。

強めにドラグを締め上げ、殆ど出さずにファイト

 

 

 

 

 

でもあまり大きくないぞっ

 

 

 

 

 

カスミアジでした。GTフィッシングはもうそこそこのキャリアになりますが、ブルーが

綺麗なこの魚を未だ釣った事が無かったので嬉しい。

初ものキャッチや外道(良い呼び方じゃないね)の自己記録更新も、釣りにおける自分の

楽しみの一つ。

このポイントでもこれ一本。

また小移動。そこでまた…出たっ!!

さっきと同じくらいか?

 

 

 

 

 

23キロでした。

 

 

 

 

 

この時間帯について言えば、チェイス・バイト共にキマイラ以外には、つまり自分以外に

は殆ど無かった様だ。この特性は160の時にも良く見られたもので、今の所その原因は

良く分からないが確実にキマイラでしか釣れないパターンが存在する様だ。

本当に良いルアーには必ずターンが来る。

つまりそのルアーのみに釣果が偏る現象を起こしうるのが、本当に良いルアーの条件なの

だ。

その手のルアーを複数持っていれば、例えば10種類持っていれば10種類のパターンに

おいて大きなアドバンテージを持った事になる。

エンジェルズエンジンのルアー開発の1つの核になっている考え方だ。

 

 

それからはまた何もなく2時間3時間程が経過して、久しぶりにっ!

って、お前さんかい!(笑)

 

 

 

 

 

ツムブリちゃん。そう言えば初日のファーストキャッチもこいつでした。

それからまた何もなくなり、でも夕方になって同船者の方に出た!

 

 

 

 

 

20キロ台後半のナイスボディー。

 

 

 

 

昨日は船中でたった1本のみのGTキャッチだったが、決して状況は良くないものの今日

はこれで3本目。

さぁ、今日の残り時間はもう少ししか残っていない。

 

 

自分も自己記録更新、夢のサイズを手にする為にキャストを続けた。

 

 


 

第10回「ティラノスドライブ」     第4章「トロフィー」

 

先程の同船者の方の1本の後、繰返し繰返しポイント移動を繰り返すが、やはり簡単では

ない状況な様で反応が悪い。

1日目・2日目そして今日を通して言える事は、イージーではないものの一瞬食いの立つ

事があるって事だ。

夕方かけてもう1チャンス欲しい所だ。

 

 

移動中も皆さんに若干の疲れの色が見えます。

 

 

 

 

 

そんなこんなで結局本日は納竿、宝島(もの凄くめでたい名前)へ。

福井さんはどうにかしてみんなにGTを釣らせたいと思っていてくれるのだろう。暗くな

るまで走り回ってくれた。感謝。

今夜はこの宝島で宿泊です。明日こそ、宝物クラスの魚を獲りたいっ。

 

 

 

 

 

港に到着。福井さんもお疲れでしょう。

 

 

 

 

 

みんなも、おつかれちゃ〜〜〜〜ん。

 

 

 

 

 

お宿に向かいます。

 

 

 

 

 

去年もお世話になった浜坂荘さん。

 

 

 

 

 

ご主人さん

 

 

 

 

 

部屋でタックル整理。

 

 

 

 

 

さぁ飯めし。ごはんだよー。

 

 

 

 

 

ネコちゃんがいっぱい。

 

 

 

 

 

夕飯にありつきバクバク食った。みんなで宿のご主人さんとお話ししている時に、趣味で

貝を磨いて綺麗にあつらえて友達やなんかにプレゼントしているとの事。

「今日一番大きいGT釣ったの誰」

「あっ、自分です」

「じゃあ、これやるよ」

「マジすか??!!」

思わぬトロフィーを頂戴した。

 

 

 

 

 

もの凄く綺麗!!やったやった、嬉しい!!

 

 

夕飯も美味しく頂き、割り当ての部屋へ。同室の方。あのぉ〜、ジャパーニーズマフィア

の方ですか?(悪ふざけしました、ごめんなさい)

 

 

 

 

 

3日間キャストし続けて体はくたくた。風呂に入ってくつろぐ同室の方々。

今日は2本獲れて嬉しかったけど、まだまだ目標サイズには気が遠くなる程遠く、まだま

だ釣らなければならない。

 

 

 

 

 

明日は最終日。

 


第10回「ティラノスドライブ」     第5章「最終日〜トロフィーの行方」

 

民宿の朝は布団を畳んで片づける事から始まる。

 

 

 

 

 

今日の釣りが終われば、この船とも暫らくお別れ。

 

 

 

 

 

そう思うと感傷的になったり「やだっ帰らねぇ、むちゃくちゃにデカい奴が釣れるまで絶

対に帰らねぇ」と夏休みの駄々っ子の様に帰るのが本当に嫌だなと思ったりする。

出来れば一生忘れない様な魚を釣って帰りたい。

みんな同じ様に思っていたのかな?じっと船を見る。

 

 

 

 

最終日出港。

 

 

 

 

 

この日も大きく状況は変わっていない様だ。

自分も含めて何度かバイトやチェイスらしきものはあったものの、やはりキャッチまでに

は至らない。

自分は一度キマイラで針がかりとごく短いファイトまで持ち込んだのだが、結局状況にア

ジャストしきれずにいる。

 

 

 

 

 

みんな疲れが溜まって、気のせいか口数が少なくなる中、同船者の方に待望のバイトが。

ファイト!

 

 

 

 

 

やった!ネットイン!!

 

 

 

 

 

20キロ後半のナイスサイズ。

 

 

だが

この日はこの時間帯の若干の反応を最後に、後は一切何も起こらなかった。

今回も自己記録の更新は果たせなかった。

 

 

福井さんのデータによればこの4日間のGTバイトは22回。内自分がキマイラで出した

バイトは9回。キャッチが5本中2本。

キマイラの仕上がりはまずまず。この遠征の最大の成果はキマイラの完成度の高さを実証

出来た事なのかもしれない。

 

 

港に戻り、再びビッグディッパーハウスへ。片づけをし帰りの荷造りしながらもみんな談

笑。

みんな是非また一緒に釣りしましょう。

 

 

 

 

 

是非また一緒に釣りしましょう。

 

 

 

 

 

奄美から鹿児島へ。遠征はいつもこの時が何かもの悲しい。帰りたくねぇなー

 

 

 

 

 

鹿児島空港。あぁ、暫らく奄美にはもどれないんだなぁ、と改めて感じる。

 

 

 

 

 

中部空港行きの便まで時間があるのでラーメンでも食うべ♪

 

 

 

 

 

そう言えば貝のトロフィーだけど、実は宝島の民宿のご主人から我々に二個の貝トロフィ

ーがプレゼントされていた。

ビッグフィッシュ賞とキャッチ数トップで自分が1つ。2番目に大きいサイズを釣った方

に1つ。

3日目の夜に明日(4日目)もっと大きなGTを釣った人が出たら所有権は移動、ってい

うルールを決めた。ちょっとしたお遊びだ。

2つ目のトロフィーは4日目のキャッチの方の手に移動。

自分は何とかビッグフィッシュ賞とキャッチ数トップも守り抜いて、自宅にこれを無事持

って帰る事が出来た。

って、3日目に2本釣ったっきりなので、偉そうに言えるもんでもないが。

出来れば4日目に自己記録更新の1本を釣り上げて、文句なしに(どなたも文句なんて言

いやしないが)自分に納得のいく形で頂きたかった。

って、固い事言わずに、兎に角このトロフィーは綺麗だ。

 

 

 

 

 

今では誇らしげに、隠れ家に飾ってあります。ホント綺麗。

 

 

最後に4日間一緒に釣りをさせて頂いた皆さん、色々勉強させて頂いた福井さんに感謝。

文中の画像は自分撮影のモノの他に同船者の方から頂いたモノ、福井さんに頂いたモノを

使わせて頂きました。

来年(’12年)の6月にまた奄美・トカラにチャレンジします。

一生、自己記録更新を追いかけ続ける自分の挑戦はまだまだ続きます。


                  −完ー

 

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